主の独り言
2022.07.29
シミュラークルとシミュレーション ジャン・ボードリヤール
“領土が地図に先行するのでも、従うのでもない。今後地図こそ領土に先行する。”
昨今ブームのメタバースを予見するかの様な一文が前半に登場し驚いてしまう。
流石、映画マトリックスのヒントにもなった本だけの事はある。
シミュレーションの世界では、シミュラークル(模造)が生産し続けられる。
オリジナルは必要なく、実像と虚像の区別もなく、シミュラークルこそがオリジナルになってしまう。それが現在我々が生きているハイパーリアルな世界だ。
ボードリアールの考察には、本当に驚かされる。しかも、80年代の著作だというから彼の先見の明には脱帽するしかない。
メタバースの認知が広がり、使用者が増え続けるとハイパーリアルの世界がもっと現実味を帯びてくる。
課題は、自分がついていけるかどうかだ。
