ディオニソスの陶酔

2022.04.25

ソムリエは銀メダリスト?

現在では珍しくなりましたが、ソムリエの正装というと首からメダル?ではなく銀の小皿を下げていました。実は中世ヨーロッパでは権力者争いが激しく食事などに毒をもられて殺害されるという事件がしばしば起こっていました。そのため王様はお抱えの毒見役を雇っていましたがこれがソムリエの起源だと言われています。

当時の毒は銀に反応し、変色したためソムリエは銀製の小皿(タスト・ヴァン=tastevin)を携帯しテイスティングしながら毒の有無を確かめており、ソムリエの必需品となって必ず首から下げるようになりました。ナイフやフォークなどの食器類も今ではステンレス製が主流になっていますが中世ヨーロッパでは同じ理由などから銀の食器を使用していたそうです。毒見役が必要無くなった後もワインの専門家として主に仕えており現在ではレストランの役職の一つとなりました。

ちなみにエプロンも革製の物を使用していましたが、昔のソムリエは薄暗いワインセラーの中で在庫を確認するためしゃがんだり立ったりする際に布製エプロンでは棚に引っ掛けた時に破れてしまうので丈夫な革製の物を使用するようになりその名残として現在でも使用されています。

ソムリエというとグラスにワインを注ぎ、回しながら香りや色合いから産地やヴィンテージを当てる人を思い浮かべられると思いますが、あくまでそれはコンクールに出場する選手であって各レストランではそれぞれの飲料の特徴を把握し皆様のお好みに併せて提案をさせていただく事が本業です。ご来店の際は遠慮なさらずお声を掛けていただきますようお願いいたします。

蓼科親湯温泉 ソムリエ 梅原

Category

Archive