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〜おみやげのおはなし 03〜

しっかりとした旨味、程よく柔らかく食べ応えのある食感。鹿肉はフランス料理において高級食材として扱われているジビエです。狩猟によって捕獲され、血抜きや解体など、適切な処置が施された鹿肉は味わい深く、臭みもありません。また、鹿肉は高たんぱく&低脂肪、さらに鉄分も豊富で、栄養価も高く、今注目されている食材です。
「鹿肉シチュー」は、蓼科 親湯温泉のショップ「蓼科 trésor –トレゾール–」のオリジナル商品です。諏訪地方に伝わる鹿食の文化を継承し、またSDGs(持続可能な開発目標)の方針への賛同、さらには鳥獣被害削減をめざして開発されました。

そもそも諏訪地方では、古来から狩猟によって鹿肉が食べられ、また殺生や肉食を嫌っていた中世・近世にも、諏訪大社は別格として狩猟と肉食の文化が育まれてきました。その歴史を今に伝えるのが、毎年4月15日、諏訪大社の上社前宮で行われる「御頭祭(おんとうさい)」です。これは、古くは3月の酉の日に行われていたもので、当時は75頭分の鹿の頭が献じられていたとか。また、各地から大勢の人が集まり盛大に直会(祭の後に神さまに供えた御神酒や神饌を祭に関わった者たちでいただくこと)が行われ、鹿肉が食べられていました。また、諏訪大社では、「鹿食免(かじきめん)」を免罪符として発行。そして「鹿食免」の御札、「鹿食箸(かじきばし)」を持っていれば、生き延びるために鹿を食べることが許されました。

近年、長野県における野生鳥獣による農作物の被害や人身被害は減少傾向にあるものの、令和4年度の被害額は年間約7.3憶にも及びました。SDGsの取り組みをいち早く行ってきた蓼科 親湯温泉では、ジビエを食べることによって、鳥獣被害や人身被害を防ぎ、自然環境の保護ができると考えました。そして長野県庁の鳥獣対策室兼ジビエ振興室(現在部署編成のため、鳥獣対策とジビエ振興が分担)およびジビエ振興に取り組む飲食事業者と連携して「鹿肉シチュー」を開発しました。

「鹿肉シチュー」は、県内で捕獲した鹿肉のみを使用しています。味わいは、りんごとスパイスが香る「甘め」、濃厚バターと完熟トマトの鹿肉シチュー「中辛」、カシューナッツと青唐辛子辛さ引き立つ「辛め」の3種類があり、お子様からお年寄りまでジビエのおいしさを幅広く楽しんでいただけます。ごはんやパスタにかけて食べられる手軽さも人気で、缶詰なので日持ちもしておみやげにもぴったりです。諏訪地方に伝わる独自の食文化をぜひ、お楽しみください。

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