お知らせ

2024.04.26

〜蓼科 親湯温泉よりお届けする今月の1冊〜

『死を生きる―訪問診療医がみた709人の生老病死』

酒が飲みたいと言って自宅へ帰ってウイスキーを飲み続けながら亡くなった男性、どうしてもタバコが吸いたいと言って自分のアパートに帰り、たばこの自販機の路上で亡くなった男性・・・
『死を生きる』には、小堀鴎一郎氏が訪問診療医として関わってきた多くの「普通の人びとの死」が記されています。中には、上記のように驚くようなケースもありますが、小堀鴎一郎氏はいずれも「自らの人生に深く根差した死に方を望んだ事実」としています。20年もの間、一人ひとりの患者の物語や体験を理解し、温かな眼差しをもって寄り添ってきた小堀鴎一郎氏が行う在宅医療は「命を終えるための医療」。超高齢化時代を迎えるこれからの時代、必要とされる医療の在り方を示しています。

『死を生きる』は、朝日新聞出版の月刊PR誌「一冊の本」に全15回で連載した「人それぞれの老いと死」を基にしたものです。2018年に出版された『死を生きた人びと-訪問診療医と355人の患者』以降の5年間に倍増した看取り事例と向き合うことで、在宅死と病院死、カルミネーション(個人のあるべき最高点)、命を永らえる医療と命を終えるための医療のターニングポイント、医療と介護の分断など数ある問題を提起し、どのような進化をするべきかを模索した記録です。患者の望む死に方をなんとか実現させようと努力する姿に、こんな風に死ぬこともできるのかと驚かされ、ならば自分はどんな死に方がしたいかを考えるきっかけになる一冊です。

小堀鴎一郎氏は父は画家の小堀四郎、母は小堀杏奴、そして母方の祖父は森鷗外です。「先生は戦時中、疎開先であった信州の高原に別荘を持っていて、今でも月に数日はそこで過ごすそうだ。」という記述も。小堀杏奴に連れられて小堀鴎一郎氏が疎開した先は蓼科。蓼科 親湯温泉の社長家族とは家族ぐるみのお付き合いがあり、今でも交流が続いています。

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