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〜冬の蓼科のおはなし 02〜

渓流のせせらぎを聞きながら露天風呂に浸かってどれくらい経ったのでしょうか。すっかり心と身体がリラックスしたところで、今度はチェックイン時に予約しておいた貸切風呂へ。宿泊者なら貸切露天風呂が30分無料で利用できるのは、蓼科 親湯温泉ならではのサービスです。2023年にリニューアルしたばかりという貸切露天風呂は、大浴場の露天風呂とはまた違った趣。目の前に木々が迫りまるで深い森に抱かれているかのようです。プライベート空間で心行くまで上質な温泉を楽しむことができました。

夕食の時間までは、まるで博物館のような館内を見学することに。私たちの部屋からロビーまでの間には、伊藤左千夫や斎藤茂吉をはじめとする蓼科 親湯温泉にゆかりのある文人を紹介する展示コーナーがあります。そこには著作物だけでなく古い宿帳など、貴重な資料の数々が並び、見応えも十分。

また、晩年に蓼科で創作活動を行った小津安二郎の展示コーナーでは創作物を展示しています。かつて蓼科 親湯温泉は小津の散歩道の途中にあり、滞在中は何度も利用していたのだとか。時間があったら、小津安二郎記念館「無藝荘」へも立ち寄ってみたいものです。それから3万冊の本が並ぶみすずLounge & Barや集めた岩波文庫の回廊で本を探し、廊下などにかけられている文人の書や作品、蓼科 親湯温泉の昔の写真などを見ていたら、あっという間に夕食の時間になってしまいました。

本日の夕食は。信州の山の幸をたっぷりと味わえる和フレンチ「蓼科山キュイジーヌ」。メニューは鍋に火を入れて温めていただく「信州の雪化粧 山形村産長芋と豆乳 金針菜を使用した薬膳スープ」や温菜の「信州牛リゾットコロッケ」「牡蠣と蕪 百合根の信州味噌グラタン」など、温かくオリジナリティあふれるものばかり。メインの肉料理「長野県産牛フィレステーキ デミグラスソース & 安曇野産きざみわさび」は長野ワインとともに味わい、信州蓼科を味わい尽くす幸福感に満たされました。明日の和食も楽しみです。

食事の後は、散歩がてらみすずLounge & Barへ。蓼科 親湯温泉は広く、寒い外に出なくても温かい館内に楽しめる場所がいくつもあるのが魅力です。明日読む本を何冊か選び、バーで飲み直すことに。聞けば長野県産のウイスキーがあるというのでロックでいただきました。スタッフから蓼科のこと、旅館の歴史のこと、ゆかりのある文人についてなどを教えてもらいながら、極上のお酒をいただくひととき。外は-10度ほど雪のちらつく夜、静かで温かな時間はゆっくりとゆっくりと過ぎていきました。

→ 次号は冬の蓼科2日目をご紹介します。

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