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〜おいしいビールのおはなし 04〜

3回にわたってご紹介してきた「エイトピークス・ブルーイング」のおいしいビールのおはなしですが、今回は最終回。ビールのラインナップについてご紹介します。その前に、知っておくとビールがさらに美味しく飲めそうなおはなしを一つ。「ラガービール」と「エールビール」の違いをご存じでしょうか?

ビールの種類は「スタイル」といわれ、ラガービール、エールビール、自然発酵ビールなどに分けられます。大きな違いは発酵方法で、エールビールは「上面発酵」でつくられ、発酵温度約15~25℃、熟成期間約2週間。麦汁の上面に酵母が浮き上がってくる伝統的な発酵方法です。ラガービールは「下面発酵」でつくられ、発酵温度約10℃前後、熟成期間約1ヶ月。酵母はタンクの底へ沈み、低温で発酵させるため雑菌が繁殖しにくいため、19世紀以降は主流のスタイルとなりました。エールビールは豊かな香りと深い味わい、ラガービールはすっきりとしたのどごしが特徴です。「エイトピークス・ブルーイング」でつくっているのはエールビール。ラインナップにあるスタウト、IPA、セゾンもエールビールに分類されます。

わくわくするような名前が印象的な「ヤイヤイペールエール」は、モルトの甘さと香ばしさをホップの香りで調和させた「エイトピークス・ブルーイング」の定番ビールです。ペールエールとはイギリス発祥の淡色タイプのエールビールのこと。オレンジのような香りと苦みがあり、モルトの優しいコクが料理をさらに引き立てます。小麦麦芽を約50%使用した「メタウィートエール」は、小麦由来の軽快な味わい、トロピカルフルーツのようなフルーティな香りと爽やかなキレが特徴です。その他、八ヶ岳の麓で栽培されたホップを100%使用「ココイラ エール」、香りづけのホップを大量に加えた「マットホップ IPA」など、こだわりのおいしさが揃います。

また、冬季限定「サミーデスタウト」は黒くなるまでじっくり焙煎したモルトを使用した黒い色のビールで、モルトの薫りと深いコクが人気を集めます。蓼科 親湯温泉の柳澤社長も愛飲しているおすすめの逸品です。夏季限定「アチーラ セゾン」はベルギーワロン地方で作られていたセゾンを現代風にアレンジしたもの。国産柚子の香りと軽快なキレが夏ののどの渇きを癒してくれます。「八ヶ岳地方の季節とともに楽しむビールをつくりたい」という代表の齋藤由馬さんの思いが込められた味わいです。

その他、八ヶ岳山麓産の玄そばを使用した「8soba(ハチソバ)」、キャンプ場の食材や火をテーマにした「ガーデンエール」「モンエール」、八ヶ岳の山小屋である麦草ヒュッテの超軟水の井戸水を使用した「ムギクサエール」など、八ヶ岳エリアに特化したビールもありますが、流通しているエリアのほとんどが諏訪地域内です。他の地域ではめったに手に入らないので、これらのビールを味わいに八ヶ岳を訪れるのもいいでしょう。

現在は、岡谷市の酒蔵 豊島屋の吟醸酒粕を使ったビールや木曽のすんき漬けの発酵汁を使った酸味が爽やかなビールの開発を行っているという齋藤さん。地域の作物や名物を取り入れた新商品を次から次へと開発ができるのは、ビールのことを知り尽くし、おいしいものや体によいものがたくさんある信州に育ち、さまざまな苦難を乗り越えてビールづくりを行ってきた齋藤さんだからこそではないでしょうか。「今後は、高アルコールで長期熟成を行うバーレーワイン(大麦のワインの意)スタイルの商品や、八ヶ岳の針葉樹の枝を使ったジンのような風味があるビールなどにもチャレンジしたいですね」と語る齋藤さん。「エイトピークス・ブルーイング」はこれからも目が離せません。

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