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〜蓼科 親湯温泉 SDGsのおはなし02〜

鹿肉のほどよく柔らかい食感、しっかりとした旨味、そして鹿肉の持ち味を引き出す、リンゴや完熟トマトなどを使用した3つの味わい。ビーフとも全く異なる、一度食べたらもう一度食べたくなる、誰かに教えたくなるおいしさの「鹿肉シチュー」。それもそのはずフランス料理において鹿肉は高級食材として扱われるジビエの一つ。狩猟によって捕獲され血抜きや解体など、適切な処置が施された鹿肉は、味わい深く、臭みもなく、驚きのおいしさです。また、鹿肉は、高たんぱく&低脂肪、さらに鉄分も豊富で、体にうれしい栄養価の高い食品なのです。

「イノシシが畑を荒らして農作物がだめになってしまった」「シカが道路に飛び出して交通事故を起こしてしまった」長野県で暮らしていると、そんな話をよく耳にします。近年、長野県における野生鳥獣による農作物の被害や人身被害は深刻化しており、平成19年(2007年)度には、被害額が年間17.4億円にも及びました。

そこで、SDGsの取り組みをいち早く行ってきた蓼科 親湯温泉では、ジビエを食べることによって、鳥獣被害や人身被害を防ぎ、自然環境の保護ができることに着目し、宿としてもジビエ消費によるSDGsに寄与できるのではないかと考えました。そもそも、一般的に食べられている牛や豚は、育てるときに多くの資源が使用されています。けれども、鹿は、自然の中で育っているため資源を損なうことがありません。牛や豚の代わりに食べることによって、地球への害が減りSDGsへとつながっていくのです。

蓼科 親湯温泉は、長野県庁の前鳥獣対策室兼ジビエ振興室(現在部署編成のため、鳥獣対策とジビエ振興が分担)およびジビエ振興に取り組む飲食事業者と連携して「鹿肉シチュー」を、蓼科 親湯温泉だけでなく、上諏訪温泉 しんゆ、萃sui-諏訪湖の売店での販売を開始しました。

「鹿肉シチュー」は、県内で捕獲した鹿肉を使用。りんごとスパイスが香る「甘め」、濃厚バターと完熟トマトの鹿肉シチュー「中辛」、カシューナッツと青唐辛子辛さ引き立つ鹿肉シチュー「辛め」をラインアップし、お子様からお年寄りまでジビエのおいしさを幅広く味わってもらいたいという想いが込められています。ごはんやパスタにかけて食べられる手軽さも人気で、缶詰になっているので日持ちもしておみやげにもぴったりです。

このような活動を行っていくことで、令和2年(2020年)度の鳥獣被害額は7.4億円に減少(前鳥獣対策室兼ジビエ振興室調べ)しました。野生鳥獣の捕獲活動を行う→鹿肉の活用という流れを持続し、農作物の被害が減り、人間と野生鳥獣が共存するためには、ジビエのおいしさを多くの人たちに知ってもらい、ジビエが一般的な食材となっていくことが大切なのではないでしょうか。初めての方でもおいしく気軽にジビエが味わえる「鹿肉シチュー」。ぜひこれまでにない味わいをお楽しみください。

→次回は、幻の高山茶についてご紹介します。

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