主の独り言

2015.07.01

火の鳥 手塚治虫

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手塚治虫のライフワークのマンガ。
“存在”をテーマにした数多くの
エピソードが収録されている。
創世記から超未来まで
広大なスケールは他に類を見ない。
書庫から出てきて、ついついむさぼり読んでしまう。
古事記をモチーフにしたエピソード。
ギリシャ神話のトロイの木馬をモチーフにいたエピソード。
日本書記、平安時代、戦国時代・・・
様々な時代の主要人物を登場させ、
火の鳥をマクガフィンとして物語が進んで行く。
さらに、
地球滅亡から、また創世記編への繋がりも示唆されるなど
当時では珍しい“ループ”構造のマンガである。
手塚治虫は、時代を変えても
首尾一貫としたメッセージを織り込んでいる。
どんなにテクノロジーが進歩しても
人間の変わらないモノを
“繰り返し”描いている。
火の鳥では、
猿田(我王)という鼻のデカい人間が
必ず出てくる。
古事記で言うところの猿田彦。
オオクニヌシに変わり、高天原のアマテラスから
地上を統治を命令されたニニギを地上に案内する
案内人。天狗としての一面も持つ。
この猿田を登場させる事で、
わかりやすく人間の変わらないモノ
についてエピソードを変えても
一貫して描き続けている。
“火の鳥”
これは、小僧達が思春期になったら
読ませたいマンガである。
それにしても、
素晴らしいマンガを残した
手塚治虫という漫画家の偉大さには
ただただ脱帽である。
■追伸
火の鳥以外も、面白いマンガが書庫から数多く出てきた。
100億の昼と千億の夜”もその一つ。
これについては、またどこかで記事を書こうと思う。
これも火の鳥同様
広大なスケールで描かれている。
哲学、キリスト教、仏教が融合した
終末思想を問う物語。

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