主の独り言
2023.08.22
沈黙の闘い マージョリー・ウォレス
本著の一卵性双生児は、共依存と緘黙の症状で描かれている。
この共依存関係は両者の心の中で強い結束と対立が恐ろしい程に同居している。
社会を敵とみなし敵に対する共同戦線は、彼女たちが生きる上で必要な手段。目的は自分が姉妹から自立して幸せになる事。
妹の予言された死は、姉に自由を与えると共に、鎖で姉を繋げた意味をも持つのだろう。
頭に一つの言葉が浮かんでくる。
“地獄への道は善意で舗装されている”
読後、幼少期から彼女たちへの善意の数々を反芻する。