主の独り言

2022.04.04

パワー・オブ・ザ・ドッグ ジェーン・カンピオン

連綿と続いてきた“男らしさ”という価値観にトドメを刺した映画となるやも知れん、そんな感想を率直に持つ。

1920年代のアメリカ。ミソジニーの牧場主でありカウボーイが男らしさの象徴として描かれている。
しかし、実は彼はホモシェクシャルを隠して生きるしかなく、被害者だったと言ってもいいのだろう。

加害者は誰か。
それは映画に象徴的に出てくる。
吠える犬に喩えられたその山々が、ラカンの言う大文字の他者として男たちを支配しているメタファー。

男の生きづらさ。
ここに焦点を当てた名作。

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