主の独り言

2021.12.03

惑星ソラリス アンドレイ・タルコフスキー

タルコフスキー1972年の作品。僕の生まれる前の作品とは思えない映像美だ。

タルコフスキーの映画はどれも水が美しく描かれている。今回もふんだんに水が使われている。湖、雨、そして惑星ソラリスの海。
ただし惑星ソラリスの海は美しくもおどおどろしく映し出されている。美しくもありおどおどろしい、と言うのがミソだと思う。

ソラリスの海は、乗組員の心の投影装置のように様々なモノを生み出す。映し出すのは、乗組員の執着しているモノ。唯識で言う末那識と言ってもいいだろう。そして生み出す海は、阿頼耶識なのであろうと僕は解釈した。

惑星ソラリスの海とは、他者であり母であり父であり妻、そしてワタシなのであろう。

妻への郷愁。母への郷愁。父への郷愁。
自宅への郷愁。祖国への郷愁。

タルコフスキー監督の様々な郷愁がズシリと伝わってくる。

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