主の独り言

2013.04.04

仮面ライダー響鬼と個人の神話

河合隼雄は
科学の進歩を顧みてこう言った。
“科学の進歩によって失ったものを回復する手段を
講じておかなければならないと考えるのである。
中略
あるいは、いってみれば、
その人個人の神話を発見することと言って良いかもしれない”。
仮面ライダー響鬼(ひびき)
私が見るに、河合隼雄の言う
“個人の神話を発見する”物語なんだと思う。
平成仮面ライダー的には
途中でプロデューサーが交代するなど
すったもんだがあった作品。
そして、仮面ライダー響鬼主人公よりも
弟子にもなったりする少年“明日夢”に
フォーカスした作品でもある。
この明日夢のstoryが
河合隼雄の言う個人の神話の発見であると考える。
簡単に言うと、明日夢の自己実現への物語。
このように言っても良いだろう。
自己実現とは、ユングが個性化とも言う
本来凄く深い内面への探求と共に
自我が影や元型を統合していく事を言う。
そもそも、明日夢がそこまで出来たかは別として
こういう所でも見てないと、とても見れた仮面ライダーでは無い。
そして、ライダーのモチーフとなっている鬼。
この“鬼”についても
科学が進んだ世の中において
鬼という概念が通用しなくなっていることを
アンチテーゼとして盛り込みたかったとも私は感じている。
ところで、いつも仮面ライダーを一緒に見る事が
家族のライフワークでもある我が家の小僧二人は
“つまんない”
とのこと。
たしかにアクションシーンは少なく、
視聴するリズムが取りにくい作品でもあった。
平成仮面ライダーの中では、
“箸休め”てき存在の仮面ライダーなのだろう・・。

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