主の独り言
2021.01.11
闇の脳科学 ローン・フランク

1950年代、ロバート・ヒースという1人の医師がいた。
戦争帰還兵の精神異常に対して、ロボトミー手術などが数多くされていた時代、脳深部刺激治療という脳深部へ電流を流す事で治療を試みていた医師だ。
異端だと風潮されながらも、地道に研究の成果をあげていく。
主に統合失調症の治療が専門であった。病室で長年寝たきりの患者が、脳深部刺激治療法で喜びの感情が蘇った事は、どれほど嬉しかったことだろう。
しかし、この治療法を研究し実績を出していたロバート・ヒースの存在は医学会から葬り去られてしまった。
詳しくは本著に譲が、簡単にいえば時代のムードと言い切っても間違いではないだろう。
現代の最先端の治療法が、70年前に既に行われていた。そして闇に葬られ世界から忘れられていたのだ。