主の独り言

2013.07.25

甥っ子誕生からプルースト


甥っ子が生まれた。
妻の弟の初めての子だ。
子供はいつ生まれても本当に嬉しい。
そして、いつ抱いてもあの生まれたての“におい”には
懐かしささえ感じる。
遠くは、私の妹、
そして私の今は大きくなった小僧達。
そんな記憶がよみがえってくる。
そして何とも言えない、
嬉しいというか、幸せというか
何かに包まれているという
感覚が身体を覆う。
これって、
名作“プルーストの失われた時を求めて”
のあの有名な一節

マドレーヌを紅茶に浸して口の中に持って行くと・・・
ピーク体験を表現している部分の超プチ体験版を体験したのである。
早速自宅に帰り、本棚からプルーストを出す。
全10巻からなる長編小説の1巻の始めに
そのことが書いてあった。
過去、軽く読んだが
今一度、マドレーヌ部分を読む。
身体の奥底から、何かうごめいている
得体の知れない何か。
それが、マドレーヌをきっかけに
顕在化した瞬間だと言うことを詳細に記述している。
こういうのをマズローはピーク体験と表現し
チクセントミハイはフロート表現する。
私ごときは、こんな体験など
人様に言えるほどしたわけでは無いが
超プチ版であろうは何度か経験している。
(そもそも、プチでも経験していると言えちゃう自分にちょっと問題もあることも認めつつ)
ユングは私という自我は中心では無く
本当の中心はセルフという主がいらっしゃると言うことを言っている。
さらにユングは、人生を午前と午後に分けて考え
丁度正午頃が人生の転換点出ある事を示している。
その事をベースにレビンソンは
40から45才頃に訪れる人生半ばの過渡期には
“今までの生き方が通用しない”と言っている。
わかりやすく言うと
今まで生きられなかった過去が復讐をしてくる
ピーク体験は、
自分の本当の主“セルフ”に
会うための道と僕は考えている。
いつかは、プルーストの
失われた時を求めての主人公“私”の様に
ピーク体験を是非とも体験してみたいものだ。
 

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