主の独り言

2013.03.18

仮面ライダーブレイドから影そして易

仮面ライダーブレイドは
ユングの言う“影(シャドー)”にフォーカスした
仮面ライダーだと私は思っている。
シャドーについては、河合隼雄が
“影の現象学”で日本人向けに
わかりやすく説明しているが
様々な映画や本のテーマにもなる
人間の深層心理の世界の大切な概念である。
仮面ライダーブレイドの主要人物達は
みんなシャドーを持っている。
そして、そのシャドーとの統合を
物語の中を通してチャレンジしていく。
そんな話が仮面ライダーブレイドである。
例えば、
普通の優しい高校生が、シャドー部分に飲み込まれて
悪に変わったり。
弱い自分という部分をシャドーに持った青年は
シャドーに飲み込まれ、ながらも統合して
強い仮面ライダーになったり。
特に、影の主人公であろう
ジョーカーという悪の権化である人物(姿だけ人間で中身は怪物)
は、ユングの言う普遍的無意識部分に相当する元型のシャドーとして現されていて、
このシャドーが人々とのふれあい、特に主人公とのふれあいの中で
統合され・・・
登場人物が、様々なシャドーという
“過去生きられなかった私”との統合作業に
悩み苦しみながらも立ち向かって乗り越えて行く物語である。
このあたりが物語のクライマックスだと記憶している。
怪物の心の変遷についてもフォーカスするのは
仮面ライダー555もそうであり、
このような物語のミソを織り込むところが
大人も楽しめる仮面ライダーと言われる所以であろう。
話は変わるが、
私の業種でもある旅行。
旅行は戦時中でもされていたようだ。
それは、人はシャドーとの統合作業を
旅行を利用して行っている部分もあるからかもしれない。
易経では旅の語源である“火山旅”という卦で説明されている。
さらに、もっと広げて“観光”と言う語源は“風地観”という卦で説明されている。
それぞれの卦の意味を見ると
旅がシャドーとの統合作業というのもあながち外れではないなと
私は考えている。
シャドーと言った部分をフォーカスして
仮面ライダーブレイドを見て頂くと
ユングの言っている意味がより深まって
わかると僕は思う。

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