The story of your life
at Shinyu-onsen

写真_バーのカウンターで隣同士語り合う夫婦

STORY 05熟年夫婦二人だけの旅立ち

  • 息子夫婦は海外赴任になり孫を連れて行ってしまい、この子のいく末はどうなるのかなあと思っていた娘も遂に結婚して遠く熊本へ行ってしまった。家に残るは仕事で忙しい私と、定年を控えてなんだか落ち着かない夫だけ。これからはいよいよ、二人っきりの生活が始まるのだ。

    「ねえお父さん、二人だけの慰労会をやろうか?」そう誘った私に嬉しそうに「よし、行こう。紅葉のきれいな所がいいな。」とふたつ返事だった。二人だけで旅行に行くなんて、30年ぶりだろうか。私がこれからも自由にやってゆけるように、夫にも自分だけの楽しみを持ってもらいたいと思っている。なるべく家にいないように、アクティブに日々を過ごし、そして家事も自立して欲しい。だが、何より大切なのは夫の心のケアだと思っている。

    定年になって仕事から離れ、自己重要度が低くなったり、人づきあいが少なくなって、一気に腑抜けになる人もたくさんいるらしい。それに比して妻は相変わらず元気で女友達と楽しい時間を過ごすことに長けているから夫の心の闇に気づいてあげられない。

    私たち世代にとっての、都心からそう遠くなく、静かで高級なイメージのある大人の蓼科。中でも老舗ホテルの蓼科親湯温泉に宿をとることにした。

    写真_古めかしい家族の集合写真
  • 最近リニューアルをされたそうだが、蓼科温泉郷の一番奥にある、川の音と鳥のなき声以外何も聞こえてこない、本当に静かで別世界の宿である。今は渓谷が燃えるように紅く、それはそれは、絵のように素晴らしい。そんな奥まったところにある一軒宿で館内はまた、全くの別世界であった。

    夫は「へ~ なんだか不思議な国に迷い込んだようだね」と言う。私は彼のこういう感性がある限り、彼は黄昏族にはならないと信じているのだ。

    岩波文庫の回廊、みすず書房のサロン、常陸宮様が訪れた時の絵画、柳原白蓮の直筆の詩、どれも時の魔法にかけられて我々は昭和時代にワープしているかのような錯覚を感じさせられる。

    写真_柳原白蓮の直筆の詩
  • 素晴らしい景観のお風呂をいただき、個室で、夫とふたり目と目を合わせながらゆったりとお食事をいただいた。諏訪の名酒 真澄 の新しいお酒も本当に美味しかった。

    食後、夫婦二人でBARに出かけた。息子も家族を持って新しい大地で頑張っている。娘も少しの不安と大きな期待を胸に新しい土地で生きてゆこうとしている。お互い、よく頑張ったね。同志として、立派に子供たちを育て上げ、今、元の二人に戻った。

    今回の旅は夫婦のこれまでをお互いにねぎらうと同時に、人生100年と言われる今日、この先まだまだなが~く続く人生の予想される荒波を前に、お互いが最高の友人であること、この先も二人で協力して試練を打破していこうという静かな決意を二人で確認し合う旅でもあったようだ。これからは私たちの新しい旅立ち。今日は私たちの2回目の新婚旅行だ。

    窓からのぞく二人がけテーブル
  • 「これからは二人だけの時間を大切にしようね。でも、お互いの独立した時間も、空間も、世界も大事。干渉せず、優しく見守り合い、時には無関心でいることも必要だよね」

    ずっと言いたかったことだったが、そのタイミングをはかっていた。非日常の素晴らしいBARだったから思わず、さらっと言えたのかもしれない。

    「そうだね。お母さん、これからもつかず、離れず、末永くよろしくお願いいたします」夫がそう言ってはにかんだ。

    主人との初めてのデートで飲んだバーボン、ジャック・ダニエルのソーダ割りをおかわりしながら、この40年に乾杯した。

お子様たちが巣立たれた後、
ご夫婦でゆったりと新しい暮らしを話合ってみるのも大切ですね。
時には環境を変えて、これからの人生を語り合うのは
いかがでしょうか?

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