ディオニソスの陶酔
2025.06.13
米不足による酒米の今後
いよいよ梅雨に入り、近隣の田んぼも稲の植え付けがほぼ終了という季節になってまいりました。ここのところニュースを騒がせていますのが『令和の米騒動』。米不足とその価格の高騰が連日のように報道されています。
以前にも記事で取り上げましたが、私たちが日常食べている食用米と日本酒を造る酒造好適米ではその特徴に若干の差が有ります。一般的な食用米である『コシヒカリ』は稲の高さが約90cmに対し酒造好適米は1m超えで、特に『雄町』という品種はなんと高さ1m40cmもあると言われています。しかも、米粒も大きく垂れる稲穂も重いのが特徴です。ですから食用米に対し風や雨などの自然現象の影響を受けやすく、栽培には食用米以上に気をつけなければいけないと言われています。栽培の難しさから農家の酒造好適米離れが進むのではないかとも言われています。
また、今回の食用米不足のためもあり、酒造好適米から食用米の栽培に切り替える農家さんが増えるのではないかと心配されています。現に当地、長野県酒造組合では県に対し酒造好適米の確保をお願いしたという新聞記事も掲載されています。
食用米だけでなく日本酒の原料となる酒造好適米の値段もあがるのでは、、、と危惧されており、日本酒の価格も上がり、物価高に拍車をかけるのではないかと言われております。
日本酒をお召し上がりになる時には そんな背景も感じて日本の『国酒』である日本酒を味わってみて下さい。
蓼科親湯温泉 国際きき酒師Ver.English 梅原


