お知らせ
〜春のビーナスラインのおはなし 03〜

ビーナスラインといえば、美しいワインディングロードを想像するのではないでしょうか。けれども、全区間がすべてワインディングロードというわけではありません。ワインディングロードは茅野市街地を通り抜け、女神湖、蓼科湖で遊んだ後、車山高原辺りから始まります。ここから美ヶ原高原まで約40km、空と大地を感じながら走るドライブは爽快です。

車山高原は、霧ヶ峰の最高峰・車山(標高1,925m)を中心として広がる高原で、約600種類の高山植物が生息。5月中旬になるとキジムシロやショウジョウバカマからはじまり、サクラスミレやスズランなどが開花していきます。6月には、新緑に包まれた草原に真っ赤なレンゲツツジが咲き誇ります。車山の山頂までは徒歩でも行けますが、リフトを乗り継げば15分で到着。南斜面から突き出すように設置されている「スカイテラス」からは、八ヶ岳連峰や南アルプスだけでなく、遠くに富士山を見ることも。テラスの先端に立てば、空に浮かぶような感覚を味わうことができます。山頂からは、トレッキングロードを歩いて霧ヶ峰や八島湿原へと行くのもよいでしょう。

霧ヶ峰で訪れたいのは「霧ヶ峰自然保護センター」です。これは、八ヶ岳中信高原国定公園内に位置する長野県立のビジターセンターで、霧ヶ峰の自然や生息する動植物、地質、歴史などについてパネルで紹介。また、屋外には見晴らしのよい展望テラスがあり、休憩することもできます。地域の情報を熟知したスタッフも常駐しているのも安心です。「霧ヶ峰自然保護センター」から徒歩約15分の場所に建つ「霧鐘塔」は、富士山やアルプスを望むパノラマビューが魅力で「関東の富士見百景」に選定されています。

霧ヶ峰高原の北西部に広がる八島湿原は豊かな自然が残る大草原です。中でも標高1,630m、約43haに広がる八島ヶ原湿原は、早くからその重要性を認められ昭和14年(1939年)に国の天然記念物に指定。また国の文化財としても登録されています。年間約360種類の植物が開花するだけでなく、18種類のミズゴケが生息。5月中旬からは、ヤマエンゴサク、オオヤマザクラ、コキンバイ、キベリタテハなどの春の花が咲き始め、南方から渡って来た夏鳥たちも少しずつ増えていきます。5月~6月に聞くことのできるシュレーゲルアオガエルの大合唱は、「日本の音風景100選」に選ばれています。

ワインディングロードをドライブしながら巡る、車山高原から霧ヶ峰高原。絶景に感動したり、トレッキングで汗をかいたり、高山植物を探したり・・・。ここでは、大自然の息吹を感じるひと時をお楽しみください。
→次回は美ケ原高原のスポットをご紹介します。