お知らせ
〜北八ヶ岳のおはなし03〜

前回は北横岳までの冬山登山を紹介しましたが、今回はさらに足を延ばして、縞枯山までのコースです。縞枯山は、北横岳同様、北八ヶ岳に位置する標高2,403mの山で、その名のとおり、縞枯れ現象が特徴です。縞枯れ現象とは、シラビソ・オオシラビソの樹林帯の一部が帯状に枯れて白い縞模様ができ、その縞枯れの帯が山頂に向かって移動していく現象のことをいいます。遠くからよく見ると、山の斜面に何列もの白い縞があるのが分かるでしょう。その原因はいまだに解明されていない不思議な現象は、日本でも特定の場所のみで見ることができるといわれます。

ロープウェイの山頂駅からは、50分ほどと北横岳と同じくらいの時間でたどり着くことができますが、勾配は北横岳よりも急です。北横岳を登った後に縞枯山に登る場合は、「坪庭自然園」に戻って時計回りに進みます。第三休憩所を通り越して急な階段40段を下り、雨池峠方面へ。雪に包まれモンスターのようになった木々の中をしばらく歩き、少し視界が開いたところに青い三角屋根の縞枯山荘が現れます。そこから7分ほど歩くと雨池峠で、分岐があるので茶臼山・縞枯山方面へと向かいます。

木々が茂る細い道を歩き続けると、ここから上りの長い道が続きます。雪深く、思うように前に進まないかもしれませんが、頑張って歩きましょう。しばらくすると縞枯山2,403mの表示があります。この道標が実は山頂標ですが、残念ながら樹林におおわれているため、展望を楽しむことができません。眺望を楽しむのなら30分ほど歩いたところにある展望台へ。標高2,386mからの風景はすばらしく、天狗岳から赤岳の南八ヶ岳を一望できます。また、稜線の木々には、エビのしっぽ(同じ方向から風に飛ばされた雪や水滴が木々や岩などに付いた樹氷)も見ることもできるでしょう。

縞枯山展望台からは茶臼山・麦草峠方向に下山します。まだまだ体力があるという方は、茶臼山へ。もう十分という方は、山頂駅へと戻ります。北八ヶ岳では、その日の天気や体力、そして経験値によってさまざまなコースを組み合わせることができるのが魅力です。ぜひ、この時期、なかなか体験することができない冬の登山を北八ヶ岳で。大自然の息吹を感じる登山をお楽しみください。

※初心者は、経験者に同行してもらうか、自治体で行っているスノーハイキングに参加すると安心です。また、雪や氷に包まれたこの時期は、アイゼンやスノーシューなどの装備が必要です。十分な装備で安全な登山をお楽しみください。
→次回は、その他の北八ヶ岳登山をご紹介します。