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〜北八ヶ岳のおはなし01〜

南八ヶ岳よりも斜面がなだらかで岩場が少なく森が多い北八ヶ岳は、ハイキングから本格的な登山まで幅広く楽しむことができると人気の地です。夏ならば、多彩なコースを歩き、さまざまな絶景に出会うことができます。一方冬のハイキングや登山は、道路が封鎖されているなどアクセスしにくく、難易度が高いと思う人も多いかもしれませんが、北八ヶ岳は初心者でも安心して冬ならではの景色を楽しめるコースがあるのをご存じですか?

その起点となるのが、北八ヶ岳ロープウェイです。これは、北横岳と縞枯山の間に架かるロープウェイで、山麓駅(標高1,771m)から山頂駅(同2,237m)までの高低差466mを約7分で上ります。車窓からは、感動の三大アルプスを一望でき、眼下には樹氷が陽光に輝く、冬ならではの風景が楽しめるのも魅力。ロープウェイを降りれば、目の前には白銀の世界が広がり、また-10度を下回る寒さに驚きの声が上がります。

山頂駅から一段上に上がると、国定公園第一種特別保護地域に指定されている溶岩台地「坪庭自然園」が広がります。「坪庭自然園」は、約1000mの探勝路が整備されており、40分ほどで回ることができるので、初心者にもおすすめです。けれどもこの時期は、雪や凍っている場所が多いので、アイゼンやスノーシューなどの装備が必要。スノーシューはレンタルできるので、ぜひ利用して安全な散策を楽しみましょう。

坪庭は遮る物もない雪原なので、木曽御嶽山、中央アルプス、南アルプスなどが一望できます。風に吹かれることで現れる雪の模様や、縞枯山などもすばらしく、小さな“エビのシッポ”と呼ばれる樹氷が付いた露岩など、雪山らしい風景に感動します。

また、坪庭は標高2200mにもかかわらず、植物が育つ森林限界(2500m)より上で育つハイマツが植生している不思議な場所です。なぜ針葉樹林帯よりもハイマツ帯が下に植生しているのかは、未だ解き明かされておらず、謎のまま。地を這うように生育することからその名がついたというハイマツが針葉樹よりも低いところで育成している様子を、実際に見るのも楽しいでしょう。

急な階段もありますが、途中には休憩所があり、ところどころにベンチなどもあるので、自分のペースで歩くことができ、標識などもしっかりと出ているので迷うことなく安全に楽しむことができる冬の坪庭のハイキング。坪庭の途中からは北横岳や縞枯山へと続くコースもあるので、挑戦してみるのもいいでしょう。
北八ヶ岳ロープウェイを使用することで、初心者も気軽に楽しめる雪山ハイキング。ぜひ一度、冬の絶景に出会いに訪れてみませんか?
※初心者は、経験者に同行してもらうか、自治体で行っているスノーハイキングに参加すると安心です。
→次回は北横岳山頂までの登山を紹介します。