お知らせ
〜おみやげのおはなし 05〜
「天空の散歩道」から茶畑を見下ろすと驚きの風景が。大自然の中にパズルのように不規則に並ぶ茶木。豊かな緑に心和みながらも、見たこともない不思議な風景に驚きの声が上がります。これが「岐阜のマチュピチュ」と呼ばれる岐阜県揖斐郡揖斐川町春日(以後、旧春日村と表記)。ここでは、標高300mほどの高山で古くから在来品種のお茶が栽培されています。
こんな風景がなぜできるのか・・・ちゃぼぼ園で聞いてみると、在来品種のお茶は種をばらまくように蒔くため、パズルのように入り組んだ畑になるのだとか。また、このような形になってしまうことから重機などは入れず、人の手だけで収穫。無農薬で栽培のため、雑草の駆除も人の手で処理しているといいます。
収穫時期は、毎年ゴールデンウィーク後から20日ごろまで。昼は摘み取り、夜はお茶の試飲を行うなど、お茶農家ではこの時期休みなく収穫作業が行われます。また、雨などで濡れたままのお茶収穫してしまうと、濡れた場所に熱が加わりすぎて味が変わってしまうため、収穫は晴れの日に行っているのだそうです。
当社のスタッフが訪れた日も晴れ。その日も朝から茶摘みが行われました。黄色みがかった緑のお茶は香りがよく味に雑味がない、といったおいしいお茶の見分け方や、紅茶は小さめ、緑茶は大きめなど、積み方の違いなどを教えてもらい、茶摘みをスタート。黙々と摘み取っていくのですが、斜面が急で歩くのも大変なところもあり、とにかく体力勝負であることを実感しました。途中、お茶の種を見せてもらったり、おしゃべりを楽しんだりしながら、時間を忘れて茶摘みに没頭しました。
自分なりに頑張って、籠をいっぱいにしたけれど・・・収穫されたお茶の葉からお茶ができあがるのは約22%。とても希少で価値のあるお茶であることが分かりました。
滞在中、村では高齢化における担い手不足が問題になっており、ますます高山茶が希少になっていること、また、メディア等で「岐阜のマチュピチュ」などと紹介されたことにより、観光客が急増していることなどを伺いました。特に、お茶の葉は人に当たるだけでストレスがかかり、品質が落ちることがあるため、お茶農家の人たちも訪れてくれた人たちを大歓迎するわけにもいかないのだそうです。
旧春日村が大切に守ってきた高山茶。古くから伝わる美しい風景と幻の味を残していくために、今一度、私たちにできることを考えてみたいと感じさせられる一日でした。