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〜桜のおはなし 01〜

3月。だんだんと春の足音が近づいてきました。今年の桜開花情報もちらほらと耳に入っているのではないでしょうか。標高の高い長野では桜の開花も少し遅め。特に蓼科のある茅野市の桜は例年4月も中ごろですが、今年は暖冬のため桜の開花も早いのではと予想されています。今回は蓼科の桜の名所と例年の見ごろ時期をご紹介します。

画像提供:茅野市 地域創生課 広報係様

蓼科には「小津の散歩道」があります。これは、かつて映画監督の小津安二郎が脚本家の野田高梧らとともに蓼科で生活していたときに歩いた散歩道のこと。2013年の小津安二郎生誕110年、野田高梧生誕120年に、野田の長女・山内玲子さんへの聞き書きによって特定されました。小津は約4kmの散歩道中でも「一本桜」を特に気に入り、東京からの客人を案内したり、仕事が行き詰まったときに訪れていたといいます。
「一本桜」は標高約1350mにある樹齢100年ほどのヤマザクラです。見ごろは、4月下旬ですが、現在は古木のため小さなピンク色の花をけなげに咲かせるほど。けれども、昭和を感じさせる趣があり、今も人々の心を魅了しています。散歩の途中、小津は蓼科 親湯温泉にもよく立ち寄りました。宿泊の際は、「小津の散歩道」を歩き、小津がインスピレーションを感じた「一本桜」をはじめとする春の蓼科の風景を楽しむのもおすすめです。

蓼科の中で最も知られている桜の名所は蓼科山聖光寺ではないでしょうか。蓼科山聖光寺は交通事故の撲滅を祈願するために昭和45年(1970年)にトヨタ自動車株式会社(当時トヨタ自動車販売株式会社)等が創建。本尊は「救苦観世音菩薩」、そして「一願成就」の観音菩薩をも奉祀しています。境内には約300本のソメイヨシノが植えられ、毎年4月下旬から5月上旬に満開を迎えます。標高1200m付近に位置することから、「本州で最も遅いソメイヨシノ」のお花見ができる場所としても知られています。開花時期には毎年「桜まつり」を開催。夜には桜がライトアップされ、幻想的な空気に包まれます。

聖光寺の向かいにある蓼科湖の湖畔にも桜の木があり、聖光寺とほぼ同じ時期に見ごろを迎えます。蓼科湖は、昭和27年(1952年)農業用温水ため池として、また観光のメッカとして誕生した人造湖です。湖畔は白樺や落葉松の林にかこまれ、南側に立てば蓼科山や横田家の山容が湖面に美しく映し出されます。桜の時期には、青い湖面と青空との素晴らしいコントラストが楽しめます。

茅野市ホームページでは、市内の桜スポットと開花状況を紹介する「桜めぐり2024」 (画像掲載は、3月14日頃~開始予定です。)を開催。ぜひ参考にしてください。

※見ごろ時期は変わることがありますので、ご確認ください。

→ 次号は、蓼科周辺の桜スポットを紹介します。

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