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〜冬の蓼科のおはなし 03〜

旅館に宿泊すると前日どんなに夜更かししていても早起きします。それは食事の前に朝風呂に入りたいから。冬の朝の露天風呂は特別感があって、私は何よりも好きなのです。昨晩は、大浴場と貸切露天風呂を楽しんだので、今朝は女性専用露天風呂「天与の湯」へ。キーンと冴えわたる空気の中、早速かけ湯をして湯に浸かれば、目の前に広がるのは素晴らしい渓谷美。ところどころ雪化粧が施された景色は冬の蓼科ならではの風景です。早朝は静かでゆっくりと温泉が楽しめるのも魅力。のんびりとお湯に浸かっていたら、だんだんとお腹も空いてきました。

朝食はオーソドックスな卵焼きやお浸し、焼き魚などを取り入れた日本の朝ごはんです。小さな豆皿に載ったおかずは美しく楽しく、いくらでも食べられるから不思議です。また「蓼科 Sunny Salad Bar」で新鮮なお野菜をたっぷりと。採れたての野菜は味わい深く、噛むほどにおいしさが広がります。素敵な朝食を楽しみながら、今日一日何をするか思いをめぐらせました。食事の帰りに立ち寄ったショップでは、フレーバーティーとスイーツを購入。館内を歩きながら読みたい本をいくつか選び、部屋へと戻りました。

「蓼科倶楽部」のお部屋は蓼科 親湯温泉のゆかりのある10人の文人達をイメージしたお部屋です。私たちが泊まった「柳原白蓮スイート」には、白蓮の歌集や白蓮にまつわる本もたくさん置いてありました。せっかくのご縁なので、白蓮の本を手にとり読むことに。香りのよいフレーバーティーを飲みながら、読書をしていたらあっという間にお昼になっていました。

蓼科 親湯温泉には連泊するとランチをサービスしてくれるとのこと。わざわざ車で出かけなくてもよいというのは、のんびりするために訪れた私たちにとっては本当にありがたいことでした。しかもメニューは信州の食材をふんだんに使用したそば粉のガレット、パスタ、オムライス、信州そばの4種類から選べる贅沢さ。その日は料理長特製ふわとろオムライスをチョイスし、ワインとともに味わい、至福の時を過ごしました。

食事が終わったら、近くを散策してみようということに。スタッフに話すと、温かい紅茶の入った水筒とバスケットを用意してくれました。星降るガーデンを通り抜け、しばらく歩いていくと、蓼科山の姿が。多くの文人や芸術家が魅了されたという蓼科山。円錐型の美しい姿は蓼科 親湯温泉を愛した文人・伊藤左千夫も「信濃には八十の群山ありといへど 女の神山の蓼科われは」と詠うほどでした。蓼科の豊かな自然を堪能していたら、さすが冬の蓼科、体も冷えてきました。名残惜しさもありましたが、もう一度お風呂に入って岩盤浴を楽しもうと、足早に宿に帰りました。

→ 次号も冬の蓼科2日目をご紹介します。

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