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〜蓼科 親湯温泉 インテリアのおはなし02〜

名作映画の一場面の中に紛れ込んだような蓼科 親湯温泉。セピア色の世界の中に上質な華やかさを加えるのがシノワズリの壁紙とアートフラワーです。

ショップや一部の客室には、落ち着きのある色味、繊細でボタニカルな模様が描かれたシノワズリの壁紙を使用しています。特に蓼科 親湯温泉と関わりの深い10人の文人たちをイメージした「蓼科倶楽部」の客室は、それぞれ異なる絵柄の壁紙をオリジナルで制作。壁一面にダイナミックに描かれたシノワズリの壁紙は、まるで日本に伝わる襖絵や屏風のようで、ストーリー性があり、見る人のイマジネーションを刺激します。

シノワズリの壁紙を担当しているのは、兵庫県神戸にあるインテリアデザイン会社、リサブレアです。2018年のリニューアルに向けて、1920年代の上海租界をイメージした空間を作り、また、シノワズリで彩りを加えようとインテリアのコンセプトが決まったとき、蓼科 親湯温泉のイメージに合う壁紙をなかなか見つけることができませんでした。そんな中で出合ったのが、落ち着きのある東洋的な色使いが高く評価され、西洋と日本、洗練と伝統を融合させた独自のデザインで幅広いインテリアデザインを行うリサブレアでした。

デザインを担当する石川りさ氏は、蓼科 親湯温泉が希望するイメージを理解しオリジナルの壁紙を制作。シノワズリの原画は150年前に描かれたアンティークの布や絵を基に、植物や鳥などの要素を丁寧に切り離し、それぞれのパーツを専門の分野の画家が描きます。パーツはパソコンに取り込んで、さまざまにコラージュし、繊細に配置して仕上げていきます。すべては手作業で、細かく、デザインのセンスはもちろんのこと、根気を要する作業の末、花や鳥たちの息遣いが聞こえるような壁紙が完成しました。

シノワズリのアートフラワーを手掛けるのは、長野県内9か所でアートフラワースクールを運営しているカラコレスです。空間の花作家と称される代表の坂本裕美氏が、本物と間違えるほどクオリティの高いアーティフィシャルフラワー(高級造花)やグリーンで空間を装飾しています。館内Library Loungeでは、シノワズリの基本の花であるカサブランカ、ホワイトローズ、木蓮などをアンティークの景徳鎮に上品にデコレーションして彩りをプラス。「蓼科倶楽部」の客室も親湯温泉にゆかりのある文人たちのイメージをアートフラワーに重ねて、また、壁紙の絵柄と調和させ、互いを引き立たせながら、オリジナリティ溢れる空間を生み出しています。

かつて東洋に憧れた西洋人が生み出した文化、シノワズリに彩られた蓼科 親湯温泉。心惹かれる空間は、壁紙とアートフラワーのプロフェッショナルたちの手によって作られているのです。

→次回は、蓼科 親湯温泉の「蓼科倶楽部」についてご紹介します。

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