ディオニソスの陶酔
白酒と甘酒、パイジュウとは

3月3日はひな祭りですが ひな祭りに欠かせないのが『白酒』ですね。
『白酒』は『甘酒』とはどう違うのでしょうか?
3月3日は『桃の節句』と呼ばれますが、『桃』が『百歳(ももせ)』に通じて邪気を払い不老長寿をもたらすと考えられ、お酒に桃の花を浮かべた『桃花酒(とうかしゅ)』という物が飲まれていました。
その後江戸時代になると『白酒』が造られ好んで飲まれるようになったそうです。
『甘酒』の起源は日本書紀に書かれている「天甜酒(あまのたむざけ)」だと言われており、神事のために造られたものでアルコール度数は低くドロッとした物でした。
その後、平安時代になると貴族に好まれ、室町時代には庶民にも広がり、製造法も進化してアルコール分を含まない飲料になりました。
まず、『白酒』は蒸したもち米に味醂か、焼酎と麹を加えて約1ヶ月熟成させ、それをすり潰して造られるお酒で、アルコール度数は10度前後、酒税法ではリキュールに分類されます。
子どもの節句の飲料ですが、アルコール分が含まれているためお子様は飲むことが法律で禁じられています。
一方、『甘酒』は大きく分けて2種類あります。
1つはご飯に水を加え約60度程度にし、そこへ米麹を加えて24時間ほど保温して造るアルコール度数が1%未満のノンアルコールの商品と、日本酒造りの際にできた酒粕を沸騰させたお湯に溶かし、酒粕を溶かして砂糖と塩で味付けをします。
甘酒にはビタミンB1、B2、B6、葉酸、食物繊維、オリゴ糖、システイン、アルギニンやグルタミンなどのアミノ酸やブドウ糖などの栄養素が含まれています。
また、『神事』に使われるお酒として『神酒(みき)』があり、伊勢神宮では年三度の三節祭において、白酒(しろき)、黒酒(くろき)、醴酒(れいしゅ)、清酒(きよざけ)の四種が供されています。
ここでいう『白酒』はにごり酒のことで、他にも中国酒に『白酒(パイジュウ)』という商品がありますが、こちらは穀物類を原料とする蒸留酒です。
『白』という文字が付いていますが、中国では『透明』という意味で無色のお酒です。
白酒といっても様々な種類のお酒がございます。
今宵はお好きな白いお酒で一杯いかがですか?ノンアルコールの甘酒もお勧めです。
蓼科親湯温泉 国際きき酒師Ver.English きき酒師 梅原



