お知らせ
2024.12.27
〜蓼科 親湯温泉よりお届けする今月の1冊〜
『文豪たちの悪口本』

「刺す。そうも思った。」
太宰治が川端康成に放った恨み言。
「何だ、おめえは。青鯖が空に浮かんだような顔をしやがって。」
中原中也が初対面の太宰治に向かって放った言葉。
「子規て奴は穢い奴だ」
夏目漱石が学生のときから仲が良かった正岡子規について語った言葉。
近年、インターネット上では、悪口や愚痴、誹謗中傷、殺人予告まで、さまざまな書き込みが行われています。そのマナーの悪さは日本だけではなく、SNSに年齢制限を行う国も出てきました。
では、今も多くの人々に影響を与え続ける文豪たちが書いたり、放った悪口はどんな風だったのでしょうか。『文豪たちの悪口本』は、そんな疑問から生まれた本です。蓼科 親湯温泉にも訪れたことがある太宰治をはじめ、中原中也、志賀直哉、夏目漱石、菊池寛、永井荷風、谷崎潤一郎、佐藤春夫など、名だたる文豪の悪口の数々が紹介されています。
内容は文豪同士の喧嘩や家族へのあてつけ、世間への愚痴など。随筆、日記、手紙、友人や家族の証言から、文豪たちの人柄に触れることができる言葉やフレーズが選ばれています。
読み進めてみると。意外とストレートな表現に驚かされます。
といってもいずれも有名な小説家や詩人です。やはり、気に障るところが凡人の私たちとは違うのだと感心させられるところもたくさんあり、読み応えも十分です。
好きな文豪の生活をこっそりと覗いているような感覚で、まだ知らない一面、人間らしさを感じることができるのではないでしょうか。