主の独り言

2013.10.27

隠れた次元

名著とはこう言う本のことを言うのだろう。
人類学者エドワード・ホールの“隠れた次元”
生物学的アプローチと
文化的アプローチで
人間の見えない“隠れた次元”を
解き明かす。
特に、
生物学的アプローチの
本の前半的の箇所はエキサイティング。
そして、生物というモノの持つ不思議さに
畏怖の念を禁じ得ない。
ここで彼は“シンク”
という言葉を持ち、
一定の空間に対する生物の密度が
高まることによって、
頭数の調整が“病気”という
モノで行われることを示している。
これは、複雑系科学で
過去の恐竜の絶滅などを
示した事を思い出され、繋がる
記述である。
組織化しすぎる事によって
崩壊にむかう・・
今の時代に対し示唆に富む見解だと思う。
そして、文化の部分では
アメリカ人やドイツ人、そして日本人。
民族によって、
著者の言う“隠れた次元”の
扱いが前々異なっている。
ここの箇所で思ったのが
日本人の“中空構造”(河合隼雄)
これが、著者も言葉を換えて示している。
隠れた次元によって、
自我の構造も
特徴づけられている。
私にはそう思えて仕方が無い。
読書って、
分野が違っても繋がるから
本当に面白いんだよなー。

Category

Archive