主の独り言

2022.11.14

世界は関係でできている カルロ・ロヴェッリ

我々が普通に感じる素朴実在論は、量子論の世界では通用しない。
“そこにある”、は事実ではないのである。

有名なシュレディンガーの猫を事例に量子の重ね合わせ原理について丁寧に説明がなされる。量子は重ね合わせの状態が通常であり、観測しなければ状態は定まらない。
さらに、本著で強く示されているのが関係について。絶えず相互に影響を与え合い、関係による発現で属性が決まる。
関係なき存在は無いのである。

正に龍樹の言う空の概念がそこにはあり、色即是空空即是色諸法無我が世界なのである。
著者は言及していないが、倶舎論なんかも量子の世界にピッタリだとも思う。

レンマな世界と科学が融合する時代。
幸せな時代に生きていると切に思う。

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