The story of your life
at Shinyu-onsen

写真_本を読む

STORY 01お一人様旅館を堪能する旅

  • 女一人で、周りの目を気にすることもなく、自分も居心地悪い思いをしないで寛げる宿ってそうそうあるものではない。

    「あの人、一人なんだ?」
    「離婚でもしたのかな?」
    「傷心旅行かしら?」

    女一人でいると、とかく周りはかまびすしい。いや、本当は誰もそんなふうに思ってはいないのに、自分がそういう型に自分をはめ込んでいるのかもしれない。でも、ここ蓼科親湯に一歩足を踏み入れると、そんなくだらない、周りの目をいつしか気にすることを身に着けてしまった自分と、しばしのお別れが出来るのだ。何故って?自分だけの世界に浸りきることのできる3万冊の本があるから!

    写真_びっしりと並べられた本
  • 若かりし頃にむさぼるように読んだ岩波文庫の数々が並んでいる。立山、大谷の雪の壁のごとくそびえたつ岩波文庫の回廊を横切るたびにああ、この空間に還ってきた、と高潮する私がいる。

    いつもの、お気に入りの部屋に通してもらい、荷をほどくとここから私の大好きな非日常が始まる。まずは3万冊の蔵書が鎮座ます、みすずラウンジへ一直線に向かう。1年この宿におこもりしても、3万冊は読破出来ないな~ なんて考えるだけでもなんだか楽しい。

    このラウンジにあるのはただの本ではない。私が酒の味を覚え、恋をし、人生の青く、愛おしい時を共に過ごした”相棒“がここで私を待っているのだ。

    ロバートキャパ写真集
    蟹工船
    生きがいについて

    どれを手にとっても、懐かしさでいっぱいになる。この本を読んだ頃は高校生で、毎日部活に励んでいたな~。こっちの本を読んだ頃は意中の人に夢中で本の感想を語っていたっけ。懐かしい本を手にすると、その頃どんな日々を送っていたか、誰とどんな会話を交わしたか、そんなことがふっと蘇ってきて私を優しく包みこんでくれる。

    写真_暖炉
  • なんて素敵で、落ち着ける空間なんだろう。外は雪。暖炉のカチカチいう音を聞きながら、ソファに深く座っていると一体ここはどこで、私は誰なのか、わからなくなってくる。シャンソンの音色が私を更にどこか知らない世界に連れて行きそうだ。

    蓼科は夏のリゾートのイメージが強いが、この一軒宿は実は冬こそがその真骨頂を発揮する。外は凍える冷気、うら寂しい雪景色、一転して宿は温かい色と暖炉に包まれた広いラウンジが旅人をあたたかくもてなしてくれる。

    我に返ると日も暮れかけていた。夕餉の前に景色が素晴らし天与の湯に入っておかないと。最近女性専用になって、かっての2倍の広さになり、ますます絶景の渓谷美を堪能できるようになったらしい。雪景色も最高だろう。

    写真_雪の露天風呂
  • さて、露天風呂も堪能し、身も心もすっかり満たされて、夕食の前に一杯やってゆこうかな。一人でバーで飲むって、とっても非日常で素敵。

    写真_ビールをバーで飲む

    さて、それでは御夕飯にいざ出陣。この宿は夕食も朝も個室なので、好奇の目にさらされることもなく女一人でもゆったり、くつろいで食事が出来るのが気に入っている。今日はフレンチをベースに和のテイストを盛り込んだ、という蓼科 山キュイジーヌをいただく。合いの手は迷うことなく信州五一ワインの白。

    写真_信州五一ワインの白を飲む

    美味しい夕食をいただいて、ワインもしこたま飲んで、夜は本をお部屋にもってゆき、寝そべりながら夜中まで読書にふける贅沢。活字に疲れたら、満天の星を抱きながらの清流露天風呂で、私のこれまでの人生にOKを出し、そしてこれから歩む道に一人静かに思いを馳せるのであった。
    嗚呼、お一人様ご用達の宿。

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