主の独り言

2017.06.10

気狂いピエロ ジャン・リュック・ゴダール

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勝手にしやがれ
女と男のいる舗道
はなればなれに
ジャン・リュック・ゴダールの映画を
今月は立て続けに見ている。
そして、最後に選んだのが
名作”気狂いピエロ”。
映画関係者は大絶賛。
一般人には意味不明。
こんな評価の作品だったと記憶している。
個人的には、
女優アンナ・カリーナと
男優ジャン・ポール・ベルモント。
この二人が同時に見られるだけで価値ある作品だ。
特に、アンナ・カリーナは、
”はなればなれに”や“女と男のいる舗道”
出演時よりも美しかった。
物語は、これらの対比で彩られている。
生と死。
秩序と無秩序。
言葉と感情。
リビドーとデストルドー。
見えるものと見えないもの。
赤と青。
アンナ・カリーナ演じるマリアンヌと
ジャン・ポール・ベルモント演じるフェルディナン
がそれぞれが対比の象徴として描かれている。
表面上は全く価値観が逆の二人だが、
共通していることがある。
それは、“生の実感への渇望”
物語中に出てくる
失われた時を求めて
プルーストの作品で表現されている。
世界を、言葉で理解しようとする男と
世界を、感情で理解しようとする女。
こんなところだろうか。
ラスト、
太陽と海が重なり合う。
これが、何のメタファーであるか・・
ここが、視聴者のこの映画への
理解なのだろうと思う。

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