主の独り言

2016.12.13

自明性の喪失 ヴォルフガング・ブランケンブルク

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これはいい。
自明性の喪失。
こんなに熱中できる本は久しぶりである。
本当にみすず書房は良い本を揃えている。
どんな本かと超ざっくりと答えるならば、
“自分なら何とか乗り越えられそう”
と困難の最中でも心の奥底で思える力(存在力とでも言おうか)
についての話である。(僕の例え話)
症例として、アンネという分裂症の女性を
観察しながら本が進んで行く。
観察の描写も非常にリアル。
著者の観察眼の鋭さがうかがえる。
目の前にその女性が見えてくるようだ。
この本は、僕の重要蔵書コーナーに鎮座させ、
たびたび眺めたいと思う。

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